最近新作が発表されたドラマ「金田一少年の事件簿」を想像してもらえるとわかりやすい。

 最初は1995年に堂本剛主演でドラマが作られて大ヒット。そのあと、松本潤、亀梨和也、山田涼介と主演を変えて作られてきた。今年の春からは「なにわ男子」の道枝駿佑主演で新たなシリーズが作られるわけだが、この金田一シリーズはシリーズごとに別作品ですよね。

 で、今回の「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」は、ある事件をきっかけに、他の次元の扉が開いてしまうというお話。別次元が多数存在し、その次元ごとに色々な世界がある。

 スパイダーマンの3シリーズはそれぞれ別世界での話だが、「別次元」での話なのだ。

 で、金田一少年に戻って説明しよう。

 今回の「スパイダーマン」で何が起きてるかと言うと、近代一少年に例えるならば、春から始まる新しい金田一シリーズに、次元の扉が開いてしまい、堂本剛演じる金田一とかみんなが登場して一緒に謎解きしまうというようなことが起きているのだ。

堂本剛演じる金田一が自分の世界で謎解きしてると急遽、飛ばされて新作の金田一少年の世界に……という感じ。

今まで様々な映画でリブート作品的なものってあったけど、それを「次元」ととらえて繋げてしまう。

なんて豪快でなんて夢のある作り方。

しかも物語の作り方が繊細でとてもうれしい仕掛けばかり。

今年50歳になるおじさんにこんなワクワクと夢をくれて、スパイダーマンよ、本当にありがとう!!

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。毎週金曜更新のバブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」と毎週水曜更新のラブホラー漫画「お化けと風鈴」の原作を担当し、自身のインスタグラムで公開中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)は発売中。「お化けと風鈴」はLINE漫画でも連載スタート。YOASOBI「ハルカ」の原作「月王子」を書籍化したイラスト小説「ハルカと月の王子様」が好評発売中。長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が発売中。作演出を手掛ける舞台「怖い絵」が2022年3月に東京・大阪にて上演。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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