(c)モンキー・パンチ/TMS・NTV
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「ルパン三世のテーマ」をはじめ、大野さんの楽曲にはジャズの雰囲気を感じるものは多い。

「やっぱりそこは隠せないよね、自然とにじみ出ちゃうんだろうね(笑)」

 放送中の「PART6」でも最新アレンジのメインテーマが使われている。

「この『ルパン三世のテーマ』はどんなアレンジにも耐えうるような骨太なメロディー、とことん考え抜いて作った曲。とはいえ40年以上、もう他にやりようがないってほどいろいろなアレンジを試しているからね。今回はギターが主役になっているけど、最近は毎回新しいアレンジを考えるのも一苦労なんだ(笑)」

 時代に合わせて新たな冒険へと繰り出すルパン。大野さんは、その時代の流行の音楽は意識することはなく、「僕の中で勉強してきた音楽、それを優先してどの時代も作っている」と言う。

「時代による自分の中の音楽の変化は、意識しなくてもひとりでに音に出てきていると思う。今こういう音楽が流行っているとか、そこに合わせようとは僕は思わないね。それを考えると駄目になるだろうし、何よりルパンのファンもそれを求めていないと思うんだ」

 歴代テレビシリーズや劇場版、テレビスペシャルなど、さまざまな作品が生み出され続けるルパン三世シリーズの中でも今なお屈指の人気を誇る名作が、宮崎駿映画初監督作品でもある79年公開の「ルパン三世 カリオストロの城」だ。偽札の謎をめぐりカリオストロ公国に潜入したルパンたち。カリオストロ伯爵の許嫁(いいなずけ)として城に幽閉されるクラリスの救出劇や淡いロマンスを描く。

「宮崎駿さんらしい、ちょっとのどかな雰囲気もあって、いわゆる一般的なイメージのルパンとはまた違うよね。宮崎さんの作風もふまえたうえで、僕なりの曲作りというものを、当時意識した」(大野さん)

 その「カリオストロの城」が、大野さんの80歳を記念するプロジェクトの一環として上映される。1月27、28日の2日間、東京国際フォーラム ホールAでのシネマ・コンサートと豪華編成のスペシャルライブ、「~大野雄二80歳記念 オフィシャル・プロジェクト~映画『ルパン三世 カリオストロの城』シネマ・コンサート! and 大野雄二・ベスト・ヒット・ライブ!」だ。

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