空気階段(撮影/植田真紗美)
空気階段(撮影/植田真紗美)
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 先の見えないこんなご時世でも、先が楽しみなスター候補たちは大勢いる。今まさに蕾をほころばせる彼、彼女らは今年、どんな大輪の花を咲かせるだろうか。「2022年の顔」として、キングオブコント2021優勝のお二人、空気階段に話を聞いた。

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 水川かたまりと、鈴木もぐら。2人がかもしだす、少し不思議な世界観と強いキャラの、一度見たら忘れられないコントで注目を集め、「キングオブコント2021」のファイナルステージネタ「メガトンパンチマン」で歴代最高得点を記録、王者の座を獲得した。

 空気階段というお笑いコンビが今、どう世の中に認識されていると思うかとたずねると、

「エゴサーチとかしませんし、どう見られているのかは分からないです」(かたまり)

「好感度はすごく低かったですし、一部をのぞく多くの方は、そんなに見たくないと思ってるんじゃないですか?」(もぐら)

 コンビ結成は2012年。人気バラエティの企画で「とにかくヤバい芸人部門」1位に選ばれるなどじわじわ注目を集め、「キングオブコント2019」から3年連続ファイナリスト進出と、着実にキャリアを重ねてきた。

 鈴木もぐらは、借金、ギャンブル、ヘビースモーカーなどの「クズ芸人」、水川かたまりは大学中退や離婚経験もありつつ、丸メガネの「イケメン芸人」というイメージでお茶の間に浸透中。

「失敗続きでこれまでまっとうな人生を歩んでこられなかったのですが、それは否定するわけではなく、失うものでもない」

 と、もぐらは言う。

「僕らはずっと、そのときどきの“リアル”、ありのままを見せてきました。もしこの先、僕らが成り金みたいになったとしても、それはそれでその時のリアル。成功して変わっちゃうことも、悪いとは思わないですし、そういうコントが生まれるかもしれません」(もぐら)

 コントというスタイルにはこだわりをもつ。

「トークなどは決して面白くないかもしれませんし、胸をはって『本業です!』とは言えませんが、コントなら言えると思います。空気階段は、コントが面白いコンビです」(かたまり)

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