新型コロナウイルス、オミクロン株の猛威が止まらない。
1月31日時点で東京都の新規感染者は1万1751人、病床使用率が49.2%。東京都の小池百合子知事はこれまで、病床使用率50%が国への緊急事態宣言の発令を求める基準としていた。そのラインまであと0・8%となったきた。
緊急事態宣言の要請をするのか、注目される中、1月31日に岸田文雄首相は「少なくとも現時点では緊急事態宣言の発出は国として検討していません」と否定した。
小池氏も30日の記者会見で記者から緊急事態宣言についての質問を受けるとあからさまに苛立ちを見せた。
「緊急事態宣言うんぬんの話ですが、専門家と意見交換しながら全体的な医療提供体制、社会活動への影響など、確認しながら総合的に検討したい」
要請には消極的ともとれる内容だった。自民党幹部はこう語る。
「小池氏は緊急事態宣言を自らが口にすると悪役になりかねないと思っているんだろうね。だから、国からそういう状況を作ってほしいということなんでしょう」
小池氏が特別顧問の都民ファーストの地方議員はこう話す。
「想像以上、オミクロン株の感染が拡大して小池氏はかなり精神的に痛手を受けている。国民民主党との連携を表明して、積極的に夏の参院選に自らもというタイミングだった。それがオミクロン株でまったく手につかない。これまでのように自ら主導権をとって国に働きかけ、緊急事態宣言の直談判はとても無理です」
そこに割って入るように「緊急事態宣言を」と言及したのが、自民党の高市早苗政調会長だ。30日のNHK番組に出演し、緊急事態宣言の再度発出について問われるとこう話した。
「その可能性はあると思います。まん延防止等重点措置での対応、厳しく追加しております。緊急事態宣言の発出となれば、イベントの参加の数などが制限される。経済への影響ある。しかし、命が一番大事。(岸田首相が)躊躇なく判断を」
緊急事態宣言の発出がすでに視野に入っているような口ぶりだった。