林:現役の方では、どなたかいらっしゃるんですか。
宮崎:舞台のときは浅丘ルリ子さんに。去年かな、デパートでばったりお目にかかったんです。ギュ~ッとハグしてくださって、なんかカッコいいなと思って。さっぱりしてるところがいいですよね。
林:私も『RURIKO』という本を書かせていただいて、一緒に中国に行ったりしたんですけど、男前の美女っていう感じ。
宮崎:そうなんですよね。そういうすごい先輩方がいらっしゃるので、続けていかないといけないなって思います。
林:宮崎さん、めくるめく恋をする役とか、不倫に走る人妻の役とかなさったことあります?
宮崎:(少し考えて)……ないですね。娘役からいいお嫁さん役にすぐなって、またすぐお母さん役になったから、その途中がなかったですね。平岩弓枝先生のホームドラマをやってるときに、「書けないのよ、あなたの恋愛の話」って言われて、すごく悲しい感じがしました。ほんとはドラマの中で動かしたいんでしょうけど。
林:前にここに出ていただいたとき(07年3月9日号)、お母さん役をなさるというんでびっくりしてたら、このごろはおばあさん役をなさって。この前「探偵が早すぎる」(22年)というドラマを見ていたら、宮崎さん、お棺の中に入ってましたね(笑)。だけど、実は生きていたという役。
宮崎:そうです(笑)。あのドラマでは「おばあちゃま」と呼ばれてましたね。
林:でも、それってちょっとひどくないですか。見た目もお若いじゃないですか。
宮崎:そう言っていただけるとうれしいです。でも、「探偵が早すぎる」の前にやった「ダメな男じゃダメですか?」(22年)でもそうでしたから、おばあちゃんの領域に一歩踏み出したと思っています。
林:でも、ある日突然お母さんがおばあちゃんになるって、女優さんとして釈然としないんじゃないかなと思って。
宮崎:抵抗がまったくないと言えばウソになりますけど、まあ自然の流れかなって思ってます。ひとくちに「おばあちゃん」といってもいろんな方がいますし、私が若いころに持っていたイメージともぜんぜん違いますからね。