林:紀香さんのご主人(歌舞伎俳優の片岡愛之助さん)、見に来られそうですよね。

久本:愛之助さん、お正月からLINEが入りましたもん。「妻がお世話になります」って。

林:キャオ!

久本:「キャオ!」ですよ、もう(笑)。

林:私、何かのパーティーで紀香さんをお見かけして、「あ、お久しぶりです」ってお声をかけたら、そこに愛之助さんがいらして、そしたら紀香さん、サッと後ろに引くのね。

久本:あの人素晴らしいと思う。気づかいが半端じゃないもん。何年か前、京都の南座でお芝居をやったときに、紀香さん、ちゃんと和服を着て、あいさつにだけ来てくださいましたから。「ねえさん、明けましておめでとうございます」「えっ、なんで?」「ちょうど京都におりますもんで」って。

林:素晴らしいです。「ねえさん」って言うんですか。

久本:そうなんですよ。「私、芸人じゃないから」って言ってるんだけど(笑)。紀香さんは懐が深くてさっぱりしてて、それでいて気づかいも素晴らしいし、私、いつも「ノリオ」って言ってるんですよ(笑)。

林:すてきなカップルですね。

久本:いい女性だし、いい妻だし、愛之助さんを立てて支えて、愛之助さんも紀香さんを大事にして、いい夫婦ですよォ~。

林:でも、久本さんは結婚なんて憧れてもいないし、面倒くさいだけだと思ってらっしゃるんでしょう?

久本:ハハハハ。あのね、10あるうち9は面倒くさい。だけど1は、やってみたことないからどうなのかな、という憧れもある。でも、結婚してる人は「結婚なんてしないほうがいいよ」って言いますよね。

林:はい、おすすめはしません(笑)。

久本:みんなそう言う。でも、0.1%の人だけが「いいものよ」って言うんですよね。それを聞いたら目がハートになって憧れちゃうんだけど、人生のパートナーがいればいいかなって思う。

林:そういうことですよね。

(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)

久本雅美(ひさもと・まさみ)/1958年、大阪府生まれ。81年、東京ヴォードヴィルショーに入団。84年、WAHAHA本舗設立。翌年テレビ「今夜は最高!」へ出演して以来、バラエティー、テレビドラマ、ラジオ、映画、CMなど多方面で活躍。現在、テレビ番組「秘密のケンミンSHOW極」「ヒルナンデス!」などでレギュラー。昨年、著書『みんな、本当はおひとりさま』を上梓。俳優・藤原紀香と共演する舞台「毒薬と老嬢」(3月16~20日、新橋演舞場、4月16~24日、大阪松竹座、地方公演あり)の公演が控える。

週刊朝日  2022年2月11日号より抜粋

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