(1)M字タイプは額の左右の生え際が後退していく。前髪を伸ばしてまっすぐ下ろすと、真ん中だけ髪が多く、左右はスカスカになってしまう。そこで、あえて短く切って厚みを出しつつ、毛を横に流す=写真1。前髪は、毛が落ちている位置に視線を集める特性がある。顔の外に向かって毛流れを作ることで、視線をおでこから外す効果がある。
(2)O字タイプは頭頂部が薄くなる。髪が薄いところにつむじがある場合、ヘアセットで髪が残っているエリアに移すのが有効だ。濡れた髪をドライヤーで乾かしながらつむじの位置を調整し、薄毛をカバーするようにつむじを中心とした渦巻き状の毛流れを作る。プロの技だが、慣れれば自分でもできる。

(3)U字タイプはM字とO字がくっつき、薄毛の範囲が広い。側頭部と後頭部から髪を持ってきて被せ、髪が浮かないようスプレーを使って念入りにセットする。

U字が進行してカバーが難しくなった人や、薄毛は隠さなくていいから自然に見せたい人は、短く刈り込むのがおすすめだ。
残った毛が伸びたままだと疲れて見え、清潔感も失われてしまう。髪全体の密度が均一になるように刈り込み、美しいシルエットを作れば、“きちんと整えています”感が生まれる。

反対に、薄毛の人におすすめできないアレンジが、ジェルを使ったウェットなスタイルだ。
濡れた質感の髪は、分け目ができやすく、頭皮も透けて見えやすい。また、アイドルのような毛束感のある仕上がりにすると、髪自体が目を引き、カバーできていない薄毛があると目立つリスクがある。キメキメよりも、ナチュラルかっこいいを目指すのが正攻法だ。
思い切ってパーマやカラーを入れるのもアリ。「『髪は傷むと抜けるのでは?』と勘違いしている方も多いですが、関連性はないのでご心配なく」と、堀本さん。むしろパーマで癖毛にすると髪が強く見え、薄毛部分を隠すために別の場所から髪をぐいっと持ってきてもなじみやすいという。また、タレントの所ジョージさんや小堺一機さんのように明るい髪色に染めたり、白髪にしたりすると、頭皮の青白い色味と同化して、薄さが目立ちにくくなるそうだ。髪を茶色に染めたうえで日焼けサロンで頭皮を焼き、さらになじませる人もいるというから、驚きだ。