俳優さんで特に好きなのは、ジュリア・ロバーツさんとシャーリーズ・セロンさん。二人の名前を見つけると、「必ず観よう」と思うほどです。観客を物語の中に引き込む力も、作品として強いメッセージを残すようなシーンの演技も繊細で素晴らしいなと感じます。

――モデルとして、海外で仕事をすることも多い。印象に残った出会いや言葉について尋ねた。

Koki,:特に印象に残っているのは、(フォトグラファーでイラストレーターでもある)ジャン=ポール・グードさんの「すべてを楽しみなさい」という言葉です。グードさん自身、いつも笑顔で楽しそうに仕事をされていて、それが作品に表れていると感じたので、すごく心に響きました。それから、ある女性フォトグラファーがおっしゃった「You need love for everything(なにをするにも愛が必要)」という言葉も、心に残っています。

――瞳を輝かせ、感情豊かに話す。完成した「牛首村」をスクリーンで見たとき、胸がいっぱいになったという。

Koki,:「1カ月半に及ぶ撮影が本当に映画として完成したんだ」という感動で、ウルウルしてしまいました。観ている間は、「このシーンは、もっとこんなふうにできたかもしれない」と思うことはあったのですが、自分が演じた奏音と詩音の二人がスクリーンに一緒に映っていることにも改めて感動しました。いろいろな感情を胸に、スクリーンを見つめていたと思います。

■スイッチを見つけた

――現在、19歳。映画出演の経験は、自身にとってかけがえのないものになった、と語る。

Koki,:撮影に参加して、物ごとの捉え方や自分の世界観が大きく変わったと思います。たくさんの経験をさせていただいて、演技に対する姿勢も変わり、演じることの楽しさを知ることもできました。「スタート」の声と同時にパッと切り替える、自分の中のスイッチのようなものも見つけることができました。学ぶことが本当に多かったですし、スタッフの方々の仕事に対するパッションも、肌で感じることができました。

 お仕事はすればするほど毎回得るものがあって成長できる気がしています。モデルのお仕事もお芝居も続けて、自分の中の“宝物”を増やしていけたらと思っています。

(構成/ライター・古谷ゆう子)

AERA 2022年2月14日号

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