「病院に来ない人にこそ正しい情報を届けたい」と語る山本健人医師(写真/楠本涼)
「病院に来ない人にこそ正しい情報を届けたい」と語る山本健人医師(写真/楠本涼)
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 ツイッターのフォロワー数は9万人を超え、昨年発売した著書は16万部を突破。週刊朝日ムック『医者と医学部がわかる2022』(朝日新聞出版)では、消化器外科医でありながら、情報発信にこだわる山本健人医師に、その思いやこれまでのキャリアを取材した。

【写真】「外科医けいゆう」「病理医ヤンデル」…SNSで情報発信する医師たち

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 医療情報サイトやツイッター、書籍などさまざまなツールを駆使して、正しい医療情報を届けるために奮闘しているのが、「外科医けいゆう」としても知られる、消化器外科医の山本健人医師だ。現在は北野病院(大阪府)で手術のほか、外来や当直、研修医の指導などを担当している。医師としても十分に忙しい日々を送るなか、なぜ情報発信にも積極的に取り組むのだろうか。

「医師になって実感したのは、さまざまな情報があふれているいま、間違った情報を信じている患者さんが多いということ。がん治療の途中で病院に来なくなり、科学的根拠のない民間療法に高額な費用を払っていた患者さんに、もどかしい思いをしたこともあります。受診してくれれば正しい情報を伝えられますが、受診してくれないとそれはかなわない。病院に来ない人にこそ正しい情報を届ける必要があると感じたのが始まりです」

『すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険』ダイヤモンド社/1870円(税込み)
2021年8月発売。山本医師が意外と知られていない人体の知識、医学史、健康の常識、現代医療などを誰もがなじみのあるエピソードとともにわかりやすく解説するサイエンス書。同年12月現在、16万部を超えるベストセラーに
『すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険』ダイヤモンド社/1870円(税込み) 2021年8月発売。山本医師が意外と知られていない人体の知識、医学史、健康の常識、現代医療などを誰もがなじみのあるエピソードとともにわかりやすく解説するサイエンス書。同年12月現在、16万部を超えるベストセラーに

 2021年発売の著書『すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険』(ダイヤモンド社)は、外科医が書く一般読者向けの本としては、異例のヒットとなっている。意外と知られていない体の仕組みや機能、医学の進歩に隠された偉人たちの功績などが、わかりやすく、誰もが興味を抱きやすいように解説されている。「自分で書いていて、面白いと思った」と笑う山本医師は、なぜ医師を目指したのか。

■京大に憧れ猛勉強 水泳にはまり猛特訓

「思い返すと、小学生のころから生物が好きで、人体の本を買ってもらっていましたね。それはずっと変わらず、高校生のときも周りが受験に有利な物理を選択する中、生物を選択していました。医師を目指したのも、大好きな生物を一生学び続けたいというのが、理由の一つです」

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京大医学部を志望した理由とは