2022年2月で創刊100周年を迎えた「週刊朝日」のために、吉永小百合さんが、これまでの取材での思い出を披露。さらに祝福メッセージとエールをいただいた。
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「創刊100年、おめでとうございます。大正11年からですか。すごいことです」
吉永小百合さんは開口一番、そう語った。
これまで何度も取材に応じていただいた。改めて「週刊朝日」に対するイメージを尋ねると、
「堅い、ということですね。政治経済の記事も入っていて、まじめな週刊誌という感じです。そのため取材のときには緊張しました」
とはいえ例外もあったそうだ。作家の遠藤周作氏との対談での雰囲気は違った。
「遠藤先生はでたらめなことばかりおっしゃって(笑)、困るんです。(つい話にのせられてしまい、気づくと)ひとつの物語というのが、見事にできてしまうんですよ」
1969年9月26日号に掲載された対談で遠藤氏は、しきりにキスの経験について迫っていた。
硬派の意見を披露してくれたこともある。吉永さんはドラマ「夢千代日記」(第1部放送は81年)で胎内被爆者を演じて以降、反戦・反核に関する意識を強く持つようになったそうだ。
「きちっと言わなければならないことは言いたいという思いが、強くなりました。そういうことを取り上げてくださるということで、インタビューに応じさせていただきました」
キスから反戦までさまざまな質問に真摯に対応してくれた吉永さんに、「200年を目指して、ぜひぜひ頑張ってください」と励まされたからには、100年なんて通過点に過ぎないのだ。(文/本誌・菊地武顕)
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※週刊朝日 2022年2月25日号