だからこそ、ダルビッシュの自主トレの映像、特に昨季途中にその威力が低下したスライダーにキレが戻ってきていることに現地メディアは一目を置いているのだ。そんなダルビッシュだが、実際の状態はどうなのだろうか。それについては次のような証言がある。

 「良さそうでした。体の動きもすごく良かった」

 そう話すのは巨人やエンゼルスで活躍した高橋尚成氏だ。これは高橋氏のYouTubeチャンネル『高橋尚成のHISAちゃん』の動画内(1月19日公開)で語られている話だ。高橋氏の話によれば、同氏は1月13日にアメリカでダルビッシュの自主トレを手伝いキャッチボールを行なった際の感想として、その状態が良好だったと動画内で明かしている。また、現地メディアからも指摘されている変化球(カーブやスライダー)の状態も次のように話した。

 「実際に(ダルビッシュが)投げてみたら、僕でも捕るのが怖いぐらいカーブの軌道が上から落ちてくるスピードが早く、(球が)ポーンっと上がったところからギューンっと落ちてくる速度も早い。スライダーは手前でグワッと曲がる幅が広い。あんなボールは今まで見たことがない。改めて一線級の投手はこれだけ凄いんだなっと思いました」

 このように、今のダルビッシュのスライダーは、MLBでも活躍した高橋氏ですら「捕るのが怖い」と言わしめるほど威力を取り戻しているようだ。

 ダルビッシュ自身が投稿した動画や高橋氏の証言から、今季の活躍にはより大きな期待が持てそうだ。あとは春季キャンプがいつ始まるのかだけだろう。冒頭でも述べたように、新労使協定はまだ決着していない。交渉が長引き春季キャンプの開始が大幅にずれ込めば、彼らも調整が難しくなってくるだろう。せっかく調子を取り戻してきているのだからこそ、できる限り当初の予定に近い日程で球春が到来することを願うばかりだ。(在米ジャーナリスト・澤良憲/YOSHINORI SAWA)

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