羽生は表現豊かなスケーターだという。
「喜怒哀楽を前面に出していましたが、五輪を連覇して存在が神格化されたことで、自分の発言の影響力を考えて慎重な表現が多かった。今回の北京五輪では弱みを見せるようになり、羽生らしい真っすぐで純粋な言葉が多く聞かれるようになった。捻挫をしていたという告白も人間味を感じました」
羽生は記者会見の最後にこう語っている。
「このオリンピックが最後かと言われたら、ちょっとわかんないです。やっぱりオリンピックやってみて、オリンピックって特別だなと思いました。何て言えばいいんですかね。ケガしていても立ち上がって挑戦するべき舞台と思います。フィギュアスケーターには他の舞台はないので、すごく幸せな気持ちになっていたので、また滑ってみたいなという気持ちはもちろんあります」
競技者として現役続行するか去就は決まっていないが、世界のファンを魅了する「唯一無二の表現者」である事実は変わらない。(木村秀次)