そんな後ろめたさがあるから、連合傘下の労組がストをやっても、どうせ国民の支持は得られない。だからやめておこう、という気持ちになるのではないか。
国民の支持が得られないなら、得られるように努力して欲しいものだが、そんなことは棚に上げて、自分たちの存在感を見せやすい政治の分野に力を注いでいるのが、いまの連合だ。
共産党批判に異常に熱心で、立憲民主党にも冷たい。弱い者いじめは簡単だ。その一方で、権力者の自民党には露骨に擦り寄り、自分たちが偉くなったと勘違いしている。
この組織は何のためにあるのだろうか。
まずは、今年の春闘で最低3%以上の賃上げと最低賃金の10%引き上げ要求を掲げ、ゼネストも辞さないという姿勢で臨むべきだ。そこで成果を得られなければ、会長はクビ。そして、政治に口を出すのも自粛。
それくらいの覚悟で本来の労働運動に取り組むこと。それが連合に課された今一番大事な役割だ。
※週刊朝日 2022年3月4日号より