2月23日、令和の天皇陛下は62歳の誕生日を迎えた。
【写真】天皇陛下も愛子さまの前では「パパ」の顔?思わずニッコリ
「多くの方に心配をお掛けすることになったことを心苦しく思っています」
誕生日に向けて行われた21日の記者会見。
秋篠宮家の長女、眞子さんが結婚問題で体調を崩したことや皇室報道のあり方について質問された天皇陛下は、騒動について「心苦しい」と話し、こう続けた。
「週刊誌報道やインターネット上の書き込みについては、人々が自分の意見や考えを自由に表現できる権利は、憲法が保障する基本的人権として、誰もが尊重すべきものです」
一般論と前置きをしたうえで、他者に対して意見を表明する際には、その人の心や立場を傷つけることもあると心にとどめておく必要があることや、他者の置かれた状況に想像力を働かせ、異なる立場や考えを持つ人々に配慮し、尊重し合える社会を願う、と続けた。
眞子さんの結婚問題に際して、「皇室報道には一定の基準が必要」と話していた秋篠宮さまの言葉に、さらに天皇陛下が踏み込んだ形だった。
姪の眞子さんを伯父としておもんばかる気持ちはあるが同時に、国民統合の象徴である天皇であらねばならない。そうした複雑な立場がにじむような会見の言葉だった。
天皇陛下は、「皇室に関する情報をきちんと伝えていくことも大事なこと」とも話した。
「大切なのは、天皇や皇族もまた、生身の人間であることを理解してもらうことなのかもしれません」
そう話すのは、平成の天皇の侍従として皇室に仕えた多賀敏行・元チュニジア大使(現在は、中京大学客員教授)だ。
平成の天皇は、皇太子時代から命を削るように公務に向き合い国民の痛みに寄り添い、祈りを捧げてきた。
そうした父親の姿を見て来た令和の天皇も、皇室の在り方について、「国民と苦楽を共にすること」であると会見で表現した。
令和の天皇も浩宮親王であった昭和の時代から、自身のあるべき姿を模索してきた。
たとえば、学習院時代に浩宮親王が所属するクラスの主管(担任)を務めた小坂部元秀氏は、自身の著書の中で、苦悩する少年、浩宮の姿を書き残している。