「ぼくの演説って、すごく人が集まるんです。特に若い人。でも、そこでクラスターが発生したら大変ですから、いまは地味にチラシを一人一人に配っています」

「地味」といっても、白い特攻服で街頭に立つクレイジー君の姿はかなり目立つ。

「1時間も立っていると、かなりの人に話しかけられますね。一瞬でも話をすることで、応援してくれる人が着実に増えていくことを実感します」

■ぼくに投票したのは諦めていた人

 今後も戸田市を拠点に活動を続ける予定で、参院選は国政政党から比例代表での出馬を模索中という。

 すでに複数の政党から打診を受けているそうだが、「決まったとしても、それを明かせるのは、もうしばらく先」と言う。

 戸田市議に当選したときは、若者中心に支持が集まった。それが浮動票であることは十分に自覚している。

「ぼくに投票してくれたのは、『どうせ俺たちの票なんて』と、政治に関心を持つことを諦めていた人」

 そんな票を再び集めて国政を目指すクレイジー君は4月から大学生となる。これから学ぶ政治をどう現場で生かすか、挑戦が続く。(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

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