「問題は保険です。カンボジアはクレジットカード付帯した保険でもOK。保険会社にいうとすぐに英訳書類を送ってくれました。表記は日本円です。ところがタイは円表示はダメだという。ドルレートは日々変わっているから、補償額をドル表示するのは難しい。結局、タイの保険会社が、まるでコロナ感染に合わせたようにつくった保険を買うしかない。そこには補償額がドルと明記されているんです。料金は3700バーツ、1万3000円ほどするんです。なにかいやな感じですよね。カンボジアはタダだっていうのに」

 PCR検査の代金にも不満が集まる。日本で渡航前に検査を受けると、書類作成代を含めると2万円から4万円がかかる。

 ところがフィリピンに行った旅行者から、「無料のPCR検査で入国できました」という報告を受けた。唾液のPCR検査なら2000円程度というところがある。それが東京都の無料PCR検査の対象になっている。証明書の英訳に不安があるというが、フィリピンはOKだったという。

 カンボジア渡航前に、僕もこの方法で……と思ったが、入国条件を見ると、唾液での検査が許されていなかった。鼻のなかに綿棒を入れてとる鼻腔ぬぐい液の検査と明記されていた。

 なかなかうまくいかない。

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(毎週)、「たそがれ色のオデッセイ」(週)、「沖縄の離島旅」(毎月)、「タビノート」(毎月)。

暮らしとモノ班 for promotion
節電×暖房どれがいい?電気代を安く抑えて温めるコツ