英国君主として初めて在位70年を迎えたエリザベス女王は、6月に祝賀式典が予定されている(photo Getty Images)
英国君主として初めて在位70年を迎えたエリザベス女王は、6月に祝賀式典が予定されている(photo Getty Images)

 エリザベス女王は2月20日、新型コロナウイルスの感染が判明した。幸い軽い風邪症状がみられる程度で、本人はオンラインや電話などでの公務は続けるとした。しかし、翌日から公務は中止され、書類に目を通すほどに縮小された。3回のワクチン接種を済ませているものの、4月で96歳になる年齢を考えれば不安は大きい。医師団から処方されたのは、baricitinib(バリシチニブ=製品名オルミエント)である。

 チャールズ皇太子がトップを務める財団が寄付の見返りにサウジアラビアの富豪に勲章授与した件で捜査を受ける可能性が持ち上がり、米国で性的虐待疑惑の民事訴訟を起こされていたアンドルー王子は示談金18億円の出所を探られ、ヘンリー王子は帰国中の警備を求めて訴訟を起こす。女王の輝かしい70年間の功績が、子や孫の家庭内スキャンダルでかすまないよう国民は祈るばかりだ。(ジャーナリスト・多賀幹子)

>>【前編「カミラ夫人を王妃に」英女王の発言に戸惑う国民と、ウィリアム王子の “国王への自覚”より続く】

AERA 2022年3月7日号より抜粋

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