兼近:僕なんか一緒にしたらおこがましいんですけど、テレビでは僕、それこそチャラ男のキャラクターで、「イェイ! イェイ!」って言ってるんで、家に帰っても、元に戻るまで時間がかかるんですね。だから、小説を書いている時期は、テレビに出てるときまで暗くなっちゃってました(笑)。
林:私、テレビでEXITを見て、おもしろいなと思ったんです。見ている人に嫌悪感を与えず、現代における「チャラい」を具現化してるから。ところが、二人がコメンテーターをやるとすごくまじめで、落差にびっくり。テレビに出ながらものを書くって、たぶんああいう落差だと思うんです。
兼近:ああ、なるほど。お笑いって難しくて、コア層に向けるとコア層は喜ぶけど、ついてこられない人たちがいっぱいいて、バランスを気にしながらやるんですよ。でも、コメンテーターのときはあまり気にしなくていいというか、自分が感じたことをただ言うだけなので、わりとスッとできる感じはありますね。
林:ふつうは反対で、社会的なコメントって、おじいさんおばあさんに反感を与えないようにって思うんじゃないですか。
兼近:個人としての考えは変えられないので、言いたいことを言って、それを認めてもらうしかないな、みたいな感じでしょうか。ただ、お笑いの仕事となると、それは別で。やりたいことをやっていればいいというものではなく、芸としてきちんと認めてほしいので、上の世代にも伝わりやすく、子どもにもわかるように、みたいなことを考えていますね。
林:兼近さんのファンって、若い女性がほとんどですか。
兼近:意外と10代、20代のファンの割合、そんなに多くないんです。ファン層でいちばん多いのは30代で、次に多いのが40代50代。10代より60代70代のほうが多いんですよ。僕も意外なんですけど。
林:私の世代だと「チャラい」って受けつけないはずなのに、お二人は受け入れられるんですね。たぶん息子とか孫に重ねてるところがあると思いますよ。