林：へぇ～、全部ひらがなで書いたんですか。新人の人には編集の人が指導してくれると思うけど、どういうことを言われたんですか。
兼近：「、」のつけ方から教えてもらいました。「この話は少し広げたほうがいい」とか、「この場面では内面を出しましょう」とか、そういうコメントもたくさんいただきました。
林：又吉さんからは何かアドバイスがあったんですか。
兼近：読んでいただきながら進めてたんですけど、「書きたいことと感じたことをありのまま書けばええんちゃう？」って感じで、修正はまったくなさらなかったです。
林：この本、エネルギーがほとばしって、まさに「むき出し」という感じですよね。最近亡くなった西村賢太さんにちょっと通じるところがあるような感じで。
兼近：いやいやいや、おこがましいです。
林：私、又吉さんの本を最初に読んだときは衝撃でした。それと似たものを感じました。生の言葉をぶつけ合っていて、これはデビュー作じゃないと書けない小説だと思いました。おそらく又吉さんも「純粋な言葉」に心を打たれたんだと思います。
兼近：うわっ……。
（構成／本誌・直木詩帆 編集協力／一木俊雄）
兼近大樹（かねちか・だいき）／1991年、北海道生まれ。2013年、吉本興業の養成所NSC東京に入学。17年、りんたろー。とともに「EXIT」を結成。18年、ヨシモト∞ホール、ルミネtheよしもとで単独ライブを開催、YouTubeに「EXIT Charannel」を開設。19年、「よしもと男前ブサイクランキング」男前ランキング1位。20年、公式ファンクラブを開設。複数のテレビ番組にレギュラー出演するほか、音楽活動やブランドのプロデュースなど、活動の幅は広い。昨年、自身初の小説『むき出し』（文藝春秋）を出版した。
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※週刊朝日 2022年3月18日号より抜粋
小島よしお
しいたけ.
西崎彩智
