日本ハム時代の西川遥輝
日本ハム時代の西川遥輝
この記事の写真をすべて見る

 楽天に新加入した西川遥輝の調子が良さそうだ。話題になったノンテンダーFAは実質的には古巣・日本ハムからの自由契約で、移籍先もすぐには決まらなかった。しかし新天地ではキャンプインからチームに溶け込み軽快なプレーを見せている。30歳を迎える今季、再び輝きを取り戻そうと必死な姿が印象的だ。

【写真】楽天を退団後もプロ野球界復帰を目指す”去就未定”投手はこちら!

 昨年11月16日、秋季練習中の鎌ケ谷スタジアムで西川、大田泰示(DeNAへ移籍)、秋吉亮(独立・福井ネクサスエレファンツへ移籍)の3選手に対し、日本ハムが22年シーズンの契約を提示せずノンテンダーにすることを通告した。NPBでは珍しい選手への措置に球界がざわついた。

 日本ハムの稲葉篤紀GMは「3選手と来季以降のプレー環境について協議した結果、選手が取得した権利を尊重しノンテンダーとすることを選択しました。選手にとって制約のない状態で、海外を含めた移籍先を選択できることが重要と考えた結果です」と前年の村田透の例を出して再契約の可能性も示唆。選手たちの選択肢を増やす目的であると強調したが、実質的には戦力外に等しいものだった。

「日本ハムは球団経営をビジネスと考えているだけに驚きはなかった。費用対効果で考えた場合、放出するタイミングだったということ。西川に関しては20年シーズンオフ、ポスティング制度を利用してのメジャー行きが決まっていれば移籍金が入り、球団としては言うことなかった。多少の狂いはあったが放出はプラン通りではないか」(日本ハム担当記者)

「打撃の正確性と走力はあるのでNPBではある程度の結果を残せている。しかしパワーと肩は平均以下で全体でBプラスの評価。好条件を求めなければメジャー移籍も可能と見られたがタイミングも悪かった。コロナ禍で各球団が経営難に苦しんでいる。マイナー球団削減も進んでいる中で選手も溢れている。米国での実績がない西川と契約する球団はなかった」(メジャー球団アジア地区担当スカウト)

次のページ
昨年は成績低下も能力的には球界屈指