JR西ではやはり大糸線の糸魚川~南小谷駅間と、中国山地を走る芸備線の東城(広島県庄原市)~備後落合(同)駅間が廃線の可能性がより高いという。

【JR西日本芸備線】
岡山と広島の山あいを走る。東城~備後落合駅の輸送密度は9人で、不通区間を除いてJRでは最も輸送密度が低く、廃止が取りざたされている。写真は備後落合駅を出発するワンマンカー
【JR西日本芸備線】 岡山と広島の山あいを走る。東城~備後落合駅の輸送密度は9人で、不通区間を除いてJRでは最も輸送密度が低く、廃止が取りざたされている。写真は備後落合駅を出発するワンマンカー

「大糸線の該当区間は降雪が多く、地盤も悪く何度も崩落による不通を経験し線路の付け替えなども行われてきました。こうした地理的条件ゆえ、貴重な公共交通手段として残されてきましたが、今や民間企業として運営していくのは難しいと思われます。芸備線の該当区間は、輸送密度が9人と、不通区間を除けばJRで最も輸送密度が低く、国道がほぼ並行しバス代行も可能になっています」(松本さん)

 あと一つ、松本さんが整理の候補に挙がる可能性が高いと指摘するのは、岩手県の山間部を走るJR東日本・山田線の上米内(かみよない、盛岡市)~宮古(岩手県宮古市)駅間だ。

【JR東日本山田線】
盛岡駅と宮古駅を結ぶ。上米内~宮古駅間の輸送密度は80人だが、「盲腸線」として整理の候補に挙がると見られる。写真は腹帯駅近くを走る列車
【JR東日本山田線】 盛岡駅と宮古駅を結ぶ。上米内~宮古駅間の輸送密度は80人だが、「盲腸線」として整理の候補に挙がると見られる。写真は腹帯駅近くを走る列車

「同区間はJR東日本管内でワーストワンではありませんが、JRとしては宮古駅で行き止まり。いわゆる『盲腸線』と判断され、整理の候補に挙がりそうです」

(編集部・野村昌二)

AERA 2022年3月21日号より抜粋

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