1月27日から公開予定の映画「レジェンド&バタフライ」で主演を務める木村拓哉さんがAERAに登場。緊迫した撮影現場が好きだと話した。AERA 2023年1月23日号から。
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初めて俳優としてドラマに出演したのは35年前。それから数々のドラマや映画に出演し、社会現象ともいえる人気作も生み出してきた。
真骨頂を発揮するのは、やはり恋愛ドラマだろう。今月公開の映画「レジェンド & バタフライ」では、織田信長を演じ、綾瀬はるか演じる濃姫と、木村曰く「えげつないラブストーリー」をやり切った。
演じるモチベーションは、「好きだから」の一言に尽きると言う。
「京都の太秦の撮影スタジオに入るといつも感じるんです。どの部署であっても、皆さん好きでこの仕事をやっている。『現場が好きだ』という熱が根っこにある」
昨年、「ぎふ信長まつり」に信長役として参加したときも実感した。
「わざわざ京都から、衣装さんやメイクさん、小道具さん、細かいところで言えば馬まで京都から駆けつけてくれました。いつもは照れ隠しで言葉にはしないけれど、そういう映画人や職人たちの心意気が僕は好きだし、自分をより突き動かしてくれるエネルギーになっています」
取材をするたびに、カメラマン、照明、美術、衣装と、スタッフの名前や動きをこと細かに覚えていて驚かされる。それだけ周りを見ているのだろう。作品を作るのは演者だけではない、「すべてのスタッフとの共同作業」だと話す。
「撮影所に行くと、職人たちが『できるんか?』といった顔で手ぐすね引いて待っている。僕も負けず嫌いなところがあるから、『やったろう!』って。ワンシーンがうまくいくと、箱馬から立ち上がった職人さんがチラッとこっちを見て、見えるか見えないかのところでサムズアップするんですよ。それを見た瞬間、埃まみれで鼻の中が真っ黒になるスタジオでも楽園になります」
(ライター・澤田憲)
※AERA 2023年1月23日号