※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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「緩和ケア」というと死が差し迫った人が受けるもの、と思う人も多い。だが、緩和ケアは「がんと診断されたときから受けるもの」だ。とりわけ、がんが再発・転移してからは、存在感を増す緩和ケア。好評発売中の週刊朝日ムック『いい病院2022』(朝日新聞出版)では、近年、大きく形を変える「緩和ケア」に迫った。

【がんの「緩和ケア」は早いうちからがいい…その理由は?】

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 多くの人は、がんが再発・転移したとわかると「もう終わりだ」と落ち込む。そして「助かる見込みはない」という絶望感に押しつぶされそうになる。

 たしかに、再発・転移がんと診断されると、ほとんどの場合「がんの治癒」は困難となる。そのため、そこからの治療はがんによる症状を和らげるか、進行を抑えることが目的となる。

 ただ、がん治療の進歩により、がん種にもよるが、再発・転移がんにおいても総じて生命予後は延びている。人によっては再発・転移後も5年、10年と生きることもめずらしくない。

■再発・転移後は、「がんとの共存」を目指す治療に変わる

 がん治療には大きく「根治を目指す治療」と「がんとの共存を目指す治療」の二つがある。

 初発のがんであれば、がんの治療法は各学会などがさまざまな科学的根拠を基にまとめた「診療ガイドライン」があり、そこで推奨される治療法を選択していく。

 現時点で最も効果が期待できる治療法は「標準治療」と呼ばれ、医師は患者の状態をふまえながら、根治を目指して標準治療かそれに準ずる治療法を提示していく。

 一方、再発・転移の場合、患者によって症状が異なるため、標準治療の選択肢はぐんと減る。根治が望めないため、「がんとの共存」を前提とした考え方に変わるが、がんの状態や体調に応じて治療法を選ぶことはそれまでと変わらない。

 体調がいいときには新しい治療法を試してみる、治療による副作用が少ない方法を選ぶ、体調が悪化したら症状をできるだけ和らげる対処をとるなど、柔軟性のある対応が求められる。ここで大きな助けになるのが緩和ケアだ。

 緩和ケアというと、「がん治療による効果が望めなくなった終末期におこなうケア」と思う人も多い。

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がん治療と並行して受けるべき緩和ケア