子どもができ仕事に本腰を入れるため格闘技を離れるケースも少なくないが、他ならぬ家族の理解と支援を得て、秋元はシンガポール行きを決断する。

 ONEでのデビューは年明けの19年1月となり、そこから6戦5勝1敗。当初はフライ級(61.2kg)で戦っていたが、途中でバンタム級(65.8kg)に階級を上げ現在4連勝。昨年12月に行われた前戦では“中国最強の男”と言われるチュー・ジェンリャンを降しタイトル挑戦を引き寄せた。

「MMAの選手はチャンピオンになっていたりするので、今回決まって言われるまではそんなに日本人初だって風には意識していなかったんですけど、そう言われると自分が切り開くというか、日本人もちゃんと強い奴がいるぞっていうのは示せるのかなとは思います」

 青木真也らMMAでの王者こそ誕生しているONEだが、立ち技部門で日本人が王座を獲得した前例はなく、秋元が勝てば新たな歴史が刻まれることになる。

「他にもキックボクシングの団体はたくさんありますけど、その中でもONEは僕にとって一番大きな舞台ですし、これから他のところのチャンピオンもみんなどんどんONEに来るんじゃないかと思っているので、チャンピオンになってそういった選手たちが来ても、みんな倒していければいいなと思います」

 だが、当然その前に立ちふさがる王者カピタンを倒さなければならない。カピタンはルンピニーやWPMFといったムエタイのメジャータイトルを獲得した後、20年9月からONEに参戦を開始。そのデビュー戦で同じくムエタイ強豪のペッタノンを右ストレートでわずか6秒でKOする。そして2戦目(21年1月)にして早くもONE王座戦を実現すると王者アラヴァディ・ラマザノフを2R KO。9月にメディ・ザトゥーを降して初防衛も成し遂げている。

「1Rからすごくプレッシャーをかけてきて、強いパンチとローキックでひるませて、相手を下がらせて自分のペースを作るっていう選手なのかなと。それが上手く行かないとあまり乗ってこないですけど、それが上手く行くともうノリノリで来て、KOまで持って行くっていう選手なのかと思います」

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王座獲得には「かなり自信はあります」