江口:簡単にすぐ好きになっちゃいますからね、だいたい。
林:江口さんはそういうワナに陥らなかったんですか。
江口:すべてワナだと思ってるので、ちょっとでもそんなふうに思ったら、「気をつけろよ」って自分に言いますね。だから共演者を好きになることはないです。
林:でも、この後もしかしたら年下の俳優さんと電撃結婚するかもしれない。氷のようなお姫さまの心を溶かす人が出てきて。
江口:俳優は絶対にイヤです。どこかでライバル意識があると思うんです。こっちは仕事がいっぱいあって、向こうがなかったり、その反対だったり、絶対あるじゃないですか。そんなときお互い気をつかうと思うんです。
林:お酒も飲みに行かないし、他業種の人とつき合うチャンスないじゃないですか。
江口:ないですねえ。でも、きのう夢を見ました。UFOを呼べる外国人のおじさんがいて、一緒にUFOを呼ぼうという仕事があって。その人と一緒に休憩してて、私が寝てたらその人が毛布をかけてくれて、こういう人とつき合えばいいんだなと思って隣を見て、「やっぱりイヤ」と思う夢(笑)。
林:それはハリウッドに行け、という夢じゃないですか?
江口:メチャクチャいいほうに解釈しますね(笑)。
林:SF映画のオファーが来て、日本人女性の役で出て、でも、なんだこんなもんか、と思って帰ってくる。そう思ったらどうですか。
江口:なるほど。じゃ、期待してます、そんなふうに(笑)。
林:江口さんに初めてお会いしたけど、私が思ったとおりの人でしたよ。なんだかうれしいな(笑)。
(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)
江口のりこ(えぐち・のりこ)/1980年、兵庫県生まれ。2000年に劇団東京乾電池に入団。舞台、映画、テレビなどで幅広く活躍。過去の出演作に、舞台「奇跡の人」「寿歌」「神の子」「Home,I’m Darling~愛しのマイホーム~」、ドラマ「半沢直樹」「SUPER RICH」など。放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演するほか、舞台「お勢、断行」(5月11~24日・世田谷パブリックシアター、28日~6月19日・兵庫、愛知、長野、福岡、島根)への出演が控える。
※週刊朝日 2022年4月1日号より抜粋