連日熱戦が続いている選抜高校野球だが、大会前から注目を集めていたのが佐々木麟太郎(花巻東)、真鍋慧(広陵)、佐倉侠史朗(九州国際大付)の2年生スラッガー3人だ。知名度と話題性では既に高校通算56本塁打に到達している佐々木が一歩リードしている印象を受けるが、真鍋、佐倉の2人も長距離砲としての素質は決して引けをとらない。昨年11月に行われた明治神宮大会でも3人揃ってホームランを放ち、中軸としての役割を見事に果たしている。今大会は佐々木が初戦で米田天翼(市和歌山)に4打数ノーヒット、2三振と完璧に抑え込まれているが、それでも豪快なフルスイングは迫力十分だった。
3人とも左打者で、下級生の頃から評判になったという点で思い浮かぶのが清宮幸太郎(早稲田実→日本ハム)、安田尚憲 (履正社→ロッテ)、村上宗隆(九州学院→ヤクルト)の3人だ。清宮と村上は1年夏、安田は2年夏とこの3人も下級生の時に甲子園でのプレーを経験しているという点でも共通している。佐倉はまだ勝ち残っているが、2回戦終了時点でのこの6人の初めての甲子園での成績を並べてみると以下のようになった。
・清宮(1年夏):5試合 19打席15打数9安打2本塁打8打点 打率.474
・安田(2年夏):3試合 13打席12打数4安打0本塁打1打点 打率.333
・村上(1年夏):1試合 4打席4打数0安打0本塁打0打点 打率.000
・佐々木:1試合 5打席4打数0安打0本塁打0打点 打率.000
・真鍋:2試合 9打席7打数4安打0本塁打1打点 打率.571
・佐倉:2試合 10打席8打数3安打0本塁打1打点 打率.375
こうして見ると、改めて清宮の数字が突出していることがよく分かるだろう。5試合で9安打、2本塁打、8打点というのは見事という他ない。同じ1年夏に出場した村上は不発に終わり、結局これが最初で最後の甲子園となったが、結果を残すことはできなかった。安田も2度目の出場となった3年春はホームランも放ち、5試合で4割を超える打率をマークするなど活躍しているが、最初の甲子園ではそれほど強いインパクトを残していない。