難しいことを考えず、リラックスして観ることのできるエンタメ型の番組の需要はもちろんあるので、わかりやすい図式のひとつとして取り入れるのは良いのですが、話し合いの場面でなんでも勝ち負けの構図を作るのは、ぶっちゃけ制作サイドが若干楽しているからなんじゃないの?と感じてしまいます。
ポジティブでもネガティブでも、盛り上がった方が勝ち!といったSNS時代の番組作りは、視聴者を若干馬鹿にしているようで、論破以外の切り口を提案できるメディアがもっと増えると良いのになぁと個人的には思います。
■継続する関係、信頼関係が必要な間柄で論破はダメ
そもそも議論は互いの意見を述べ、傾聴し合い内容を深めていくもので、たとえ討論であっても意見の優劣がわかれば十分、相手を叩き潰す必要はないはずです。
例えば、現役保育士で人気YouTuberでもあるてぃ先生という方がおられまして、てぃ先生のYouTubeにひろゆきくんがゲストとして登場、保育園児からの質問に答えるという動画があるのですが、論破要素は一切なし、子どもと同じ目線に立ちつつも彼のトーンは崩さない感じで番組が進んでいく様子が観ていてジワジワと面白く、「そういう回答の仕方もありなのかー」と新鮮でした。
質問に答えることと議論は違いますが、まだ上手に自分の意思を伝えられない年齢の子に対して、相手が聞きたい・知りたいと感じていることは何なのか?と目線を合わせて耳を傾けることは傾聴であり、それに対して自分が提案できる答えを探し、相手にわかる言葉で語りかけることでポジティブに物事が進んでいきます。
夫婦やパートナーなど、共に歩んでいく同士の対話もそうあるべきではないでしょうか。
喧嘩してその場で一時的に勝っても、次の日も一緒にご飯を食べ、コーヒーを飲むわけですから。