阪神と同じく開幕3連敗スタートとなったDeNAでは3年目の蝦名達夫が面白い。過去2年間は一軍で通算6安打にとどまっているが、二軍では着実に成績を伸ばし、昨年は規定打席にわずかに届かなかったもののチームトップの75安打を放ち、打率3割もクリアしている。巧みなリストワークで右方向にも長打を放つことができるのが持ち味。大型だが脚力もあり、昨年は二軍でチーム2位となる18盗塁もマークしている。

 チームは現在ソト、オースティンと外国人選手が出遅れており、ファーストと外野は流動的な状況となっている。蝦名は外野手登録だが大学時代にはファーストも守っているだけに、その穴を埋める存在としてこれほどうってつけの選手もいない。二軍では早くも2本のホームランを放つなどアピールしており、早期の一軍昇格も期待したい。

 新監督の“BIG BOSS”が高い注目を集めながら、開幕3連敗を喫した日本ハムでは2年目の五十幡亮汰を挙げたい。脚力に関しては12球団でも間違いなくナンバーワンであり、昨年もわずか27試合の出場で9盗塁をマークしている。

 課題となるのは故障の多さだ。今年も3月上旬に腰痛で離脱し、まだ復帰のめどは立っていない。ただチームの将来を考えると野村佑希、清宮幸太郎、万波中正と強打者タイプにブレイクの兆しがあり、西川遥輝の抜けた穴を埋めることが大きなポイントであることは間違いない。まずは故障をしっかり治すことが重要だが、体調面の問題がなければ一日でも早く一軍のセンターとして抜擢してもらいたい存在だ。

 最後に下位指名のルーキーながら楽しみな存在となりそうなのが松井友飛(楽天)だ。高校時代は全く実績がなく、大学でも地方リーグの金沢学院大ながら最速150キロを超えるまでに成長。キャンプ、オープン戦でも自慢のストレートでアピールしている。開幕一軍は逃したものの、二軍での初先発となった3月21日のヤクルト戦では5回を被安打1、7奪三振で無失点の快投を見せ、見事に初勝利をマークした。

 早く使うのであればリリーフかと思われたが、二軍で先発としてスタートしていることから考えても、将来のローテーション投手としての期待が伺える。チームの先発投手陣は実績は抜群ながら、ベテラン揃いで若さがないだけに、貴重なスケールの大きい先発候補として注目したい投手である。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員

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