若くして成功しているYouTuberには高級ブランドの服を着る人も少なくありません。これは、「ブランディング」の一環であり、ブランド物の服を着ることによって、自らのキャラクターをブランド化しているのです。YouTuberは、視聴者の望む姿を演じます。ブランド物を着て、華やかで破天荒な生活を動画にすると、「面白い・憧れる」と感じる視聴者がファンになります。ブランド物の服は、まさに衣装であり、彼らの個性を演出しているのです。この現象は、非常に面白いと思います。
テレビに出演する芸能人は、番組内でハイブランド物の服を着ることは少ないです。CMのオファーへの影響が懸念されたり、ブランドのイメージがつくのを避けるため、という部分もあります。そもそも、芸人さんや芸能人のイメージ戦略は、「庶民的」であることです。年収1億円を超えている芸人さんや芸能人やアイドルが、ゲストの小金持ちの一般人の自宅や生活に驚く、というしらじらしい演出を見たことがある人も多いと思います。テレビに出演する芸能人のブランディングは「庶民的に見えること」「視聴者に合わせること」だからです。
一方で、YouTuberやインスタグラマーなどのインフルエンサーは、「お金持ちに見えること」「一般人とかけ離れていること」、つまり「憧れてもらう」ことをブランディングする場合も少なくありません。テレビだと嫉妬されることも、ネットだと羨望になる、という現象があるのです。メディアが異なるので、ブランディングの意図も方向性も異なるのです。この意味合いを持って、衣装としてブランド物を着ているYouTuberも多く、自分のキャラクターを上手に演出する人は、非常に戦略的だと感じます。