「アメリカ留学中はあまりにも大変で、筋肉量が激減した」と語るなかやまきんに君(写真=大野洋介)
「アメリカ留学中はあまりにも大変で、筋肉量が激減した」と語るなかやまきんに君(写真=大野洋介)
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 元祖筋肉タレント・なかやまきんに君は、米国ロサンゼルスで4年半の「筋肉留学」の経験を持つ。発売中の『AERA English 2022』(朝日新聞出版)では、体当たりで挑んだ英語漬けの日々について語ってもらった。

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 白いタンクトップから浮き出る極太の筋肉。「ハッ!」と笑うと白い歯が輝く。まさにアメリカ西海岸が似合う人……と思ったら、「アメリカ留学中はあまりにも大変で、筋肉量が激減したんですよ」と意外な話をしてくれた。

 なかやまきんに君がアメリカ西海岸での「筋肉留学」に飛び立ったのは、人気絶頂の28歳のとき。

「留学した理由は二つありました。ひとつは筋トレ好きの聖地であるベニスビーチです。高校時代から『人生で一度はこの近くに住んでトレーニングをしたい』とあこがれていました。もうひとつは、ハリウッドで映画やテレビのオーディションを受けることでした」

 といっても、英語力は「高校の単語テストでは、けっこういい点数をとっていましたね」という微妙なレベル。勉強そのものも10年ぶり。それでも渡米して4カ月後には、自らコメディーショーを企画してライブを開催してしまったという。

「自画自賛ですが、びっくりするほどウケました(笑)。日本から来たコメディアンが筋肉を動かすだけでもう大爆笑。超満員になり、1公演だけの予定が2公演になりました」

 ライブまでのわずか4カ月で、英語力は急上昇した。「最初に自己紹介やネタを全部日本語で書いて、英語に訳してもらって丸暗記しました。それを毎日繰り返し練習したんです。いまでも全部おぼえていますよ。机の上での勉強よりはるかに力になりました」

 その後も映画を作って上映し、その勢いでいくつものオーディションに合格した。しかしビザの問題がクリアできず、出演はあきらめざるを得なかった。仕事ができないならここで何をするのか。そこでカリフォルニア州の2年制大学、サンタモニカカレッジで運動生理学を学ぶことを決意。それは筋肉を失うほどのすさまじい日々の始まりだった。

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大学での学びは想像以上にハード