3つ目がワクチン接種に対する「自己満足(complacensy)」です。ワクチン未接種の理由をうかがうと、「すでにコロナにかかったから、ワクチン接種をしないことにした」とおっしゃる方にお会いしたことがありますが、ワクチン接種は必要ないと判断し「自己満足」した一例です。コロナワクチン接種に伴うリスクとコロナになるリスクとを比較検討し「自分にとってワクチン接種は必要ではない」と判断した結果、「自己満足」し、結果的にワクチン未接種になるという訳です。
しかしながら、2月中旬、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(N EJM)にオンライン公開された最新の研究報告によると、イスラエルの約15万人分の医療記録からファーザー製のコロナワクチン接種前にコロナ感染から回復した患者におけるコロナ再感染率を評価した結果、コロナワクチン接種は16歳から64歳の人の再感染の82%、65歳以上の人の再感染の60%を防ぐことが分かりました。「コロナ罹患後にファイザー製のワクチンを少なくとも1回接種することで、再感染のリスクが有意に低くなったことが最新の研究で報告されましたよ」と紹介しながら、過去にコロナになってしまった人に対し、私はワクチン接種を薦めるようにしています。
これら以外にも、コロナのワクチンに関するSNS上のニセ情報や、コロナのニュース自体にあまり接していないことなども、ワクチン接種をためらう要因となりうるとされています。「テレビ番組・ラジオ・友人・親が、こういっていたけど、本当ですか? どうなのですか?」と聞かれることは、いまだにとっても多いです。
このようなワクチン忌避の理由が未接種につながるものだと思っていたのですが、それだけではなく、冒頭にご紹介したような「接種したくても、仕事が休めずどうしても打てない」と言う理由に加えて、「一人暮らしだから(接種しなくていいと判断した)」「在宅勤務になってしまい外出しないから(接種しなくていいと考えた)」「親が接種しなくていいと言うから」という理由もありました。