1992年4月25日、シンガー・ソングライターの尾崎豊が26歳でこの世を去った。高校在学中のデビューから亡くなるまでの8年半に発表したのは71曲。令和の今も強烈な光を放っている。
【写真】愛用のFender Telecaster Yellowを手にする尾崎豊さん
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没後30年の節目に「OZAKI30 LAST STAGE 尾崎豊展」が開催されている。東京・松屋銀座で開催された展覧会の初日。会場には、尾崎と同世代と思われる人はもちろん、尾崎をリアルタイムで知らない若い人たちも多く訪れており、待機列ができる展示物もあるほどだった。
尾崎が使っていたピアノやギター、マイクや手書きのセットリストなども展示され、その横ではライブ映像が流れている。手書きの歌詞ノートやレコーディング用楽譜、本人の財布など初展示品も少なくない。
展示のテーマは「生きること」。ライブステージ写真からはエネルギーがほとばしり、手書きのノートからは葛藤がにじみ出る。尾崎が生きた証しが確かに感じられた。
本展の制作を担当した大野剛史さんは、「尾崎が生きていた時間や過程を感じてほしい」と話す。
「時代は大きく変わり、社会が複雑化した現代でも、彼の価値は失われるどころか輝きを増しているようにも感じます。彼が遺した71曲全てが、彼の生きていた証しであり、日々の告白だったからこそ、今も多くの人々の心をつかんでいるのではないでしょうか」(大野さん)
「OZAKI30 LAST STAGE 尾崎豊展」は、静岡(4/13~25)、福岡(4/29~5/15)、大阪(今秋)、広島(今冬)など各地を巡回予定だ。
(構成・文/吉川明子)
※週刊朝日 2022年4月8日号