それでも性被害者が告発するのは、もう怯えたくないからなのだと思う。

 被害者に怯えを強い、口を塞ごうとする世界に、未来はないからだと思う。

 そしてやはり、私たちは、そういう被害者に寄り添うべきなのだと思う。

「意図」を探る前に、まずは被害者が過ごしてきた時の重さに耳を傾けるべきなのだ。

 今年の4月11日は、性犯罪無罪判決に抗議するためにはじまった「フラワーデモ」にとって、4回目の4月11日になる。全国で、毎月11日になると性暴力根絶をめざして街に立つ人たちがいる。私たちの気持ちはみんな一緒だ。もう怯えたくない。もう黙りたくない。そして声をあげた人のそばに立ちたいのだ。

 海外で報じられているアメリカや韓国やスペインでの#MeTooのように、私たちのそれは大きく勢いのあるものではないかもしれない。でも、じわじわと、じわじわと、だ。諦めない声が、日本の#MeTooの声を強くしているのだと思う。

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北原みのり

北原みのり

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。女性のためのセクシュアルグッズショップ「ラブピースクラブ」、シスターフッド出版社「アジュマブックス」の代表

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