結婚後はテレビ出演を減らしているが、往年の牧瀬を知る芸能記者はこう証言する。

「19歳の時に出演した『JR東海クリスマスエクスプレス』のCMが社会現象となり、92年に放送された主演ドラマ『二十歳の約束』での『ヒューヒューだよ!』というセリフが流行るなど、一世を風靡しました。デビュー当時は出演映画の演技が高く評価され、各映画賞の新人賞を総なめにしていましたね。清純派のイメージが強く、CMなどで重宝されました。ただ、良い意味で芸能人っぽさがなくて、若い頃から『もっと売れたい』『あのコには負けたくない』といったハングリー精神はそれほど強くありませんでした。結婚後に家庭優先で露出を大幅に減らしたのも彼女らしいと思いました」

■セレブっぽい投稿にも嫌みがない

 彼女の近況は、主にインスタへの投稿で知ることができる。フォロワーも6.5万人と芸能人としては決して多くないが、じわじわとその数を増やしている。

「マンションの一室からの絶景が背景として映り込んでいたりとセレブ感が漂っています。ただ、牧瀬さんの場合、セレブでありながら、人柄がチャーミングなので嫌みがなく、かつ気品が漂っているので『自慢かよ』みたいなアンチコメントもほとんどありません。また、ヨガのポーズをする姿や、優雅にお茶をたしなむ様子を披露し、歌舞伎や宝塚観劇、落語会に行ったことなどもつづっています。アピールに必死な女性芸能人とは一線を画す、心の余裕が感じられます。昨年放送されたバラエティー番組では、共演の原田泰造と過去に夫婦役をやったことを覚えてなくて、『へへっ』と笑う天然なかわいさを発揮していました。ドラマは2020年以降出演していませんが、女優業にも注力すれば、意外と石田ゆり子的なポジションで再ブレークするかもしれません」

 芸能評論家の三杉武氏は言う。

「今のようにSNSなどを介して私生活をオープンにしたり、ファンと直接的に交流することがなかった時代では、ドラマや映画、CMなどで演じた役柄がそのままタレントイメージに直結していました。牧瀬さんもその典型で、『JR東海クリスマスエクスプレス』のCMやドラマ『二十歳の約束』での可憐でキュート、そして天真爛漫なイメージが強かったのですが、それが令和になっても温存されているところがすごい。バラエティーやトーク番組などに出演する時も、大物女優ぶったり気取ったりすることはなく、イメージそのままの雰囲気を貫いています。結婚するまで目立った熱愛スキャンダルもなく、結婚してからも夫婦仲の良さを時折アピールしています。全盛期の好感度の高さを維持している要因はそうしたところにありそうです」

 深津絵里や宮沢りえなどアラフィフ女優の活躍が目立っている昨今。そんな中、牧瀬を応援している往年のファンも少なくないはずだ。さらなる活躍を期待したい。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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