くりぃむしちゅー テレビ愛は変わらない「この番組を続けることが目印になる」

有田：十数年でここまで時代の空気って変わるんだ！って驚きますよね。「くりぃむナントカ」の頃なんて、かなりどぎつい下ネタとかも平気な顔して言ってましたから（笑）。

上田：確かに、当時はあまりにも緩すぎたかもしれない。逆に、今はなんでも世の中のモラルに合わせないといけない風潮ですけど、この番組ではまだまだ諦めるつもりはないです。

■「テレビに出たい」

——二人のテレビへの強い愛着とこだわりは、いったいどこからくるものなのか。

上田：もともと僕はテレビの世界が好きで、「漫才やりたい」「コントやりたい」とかよりも「テレビに出たい」という気持ちが強くて芸人になったんです。だから、自分が出ている番組に限らず、他の芸人がやっている番組がうまくいっているとうれしくなります。バラエティー全体が元気だといいなと思うし、もっと言えばドラマや音楽番組も元気だったらいいなと。YouTubeや動画配信サービスが悪いわけじゃないけれど、一番はテレビが面白くて、「テレビってまだまだ可能性がある」と自分も感じたいし、感じられるような環境になればいいなと思います。

有田：昔も今も、テレビの中には面白いものがたくさんあると思うんです。お金をかけて作っているし、スタッフも優秀なので。だから、リアルタイム視聴は無理だけど、自分の好きな時に好きな番組が見られるなら見たいっていう人はいっぱいいるはず。僕自身も10年ぐらい前から番組を全録して見ているんですけど、そういう需要に応えるシステムができないかなと思っています。

■お互いのピン活動

——ピンでのテレビ出演も精力的にこなしている。二人はお互いの活動をどう見ているか。

有田：うちの相方を見ていると、幅広いですよね。ちゃんとスポーツ番組もやり続けているし、トーク主体の番組もやっている。MCとして仕切る番組と、完全に肩の力を抜いてやる番組が色分けできていて、楽しそうだなと思います。その中でもとくに僕は「上田ちゃんネル」っていう番組が好きで。あれがあると、どんなに夜中だろうが必ず見ています。

上田：こういう言い方は語弊がありますけど、「上田ちゃんネル」は遊びみたいな番組なんで、あれを評価されても全然うれしくない（笑）。

　相方の番組だと、僕は「全力！脱力タイムズ」はほぼ毎週のように見ています。本当に、よくあの手この手でツッコミ役の芸人を追い込めるなあと感心しますよね。ああいう番組も、今はほぼないでしょう？　芸人が自分で考えて「今週はこうしよう、ああしよう」ってできる番組はね。だから、ずっと続くといいなあって素直に思います。労力としても相当大変ですから。そういう意味では「上田ちゃんネル」と真逆だから（笑）。