逆に、野上氏は荒木氏の当選は難しいと見る。
「都ファも小池氏もかつての勢いがありません。コロナの感染が拡大している状況下で、小池氏が前面に出てきたら逆効果でしょう。自民・朝日氏も盤石ではない。生稲氏は安倍元首相肝いりの『働き方改革実現会議』で民間議員を務めた経歴がある。東京には生稲氏を全面支援する安倍派の萩生田光一氏、下村博文氏らがおり、朝日氏にはマイナス要因となるでしょう」
◆山本太郎の奇策 賛否両論の評価
神奈川は今回、非改選の欠員(1人)の補充を含む「合併選挙」となり、通常より一つ多い5議席を争う(得票数5位の候補者が欠員分の当選者となり、任期は3年)。自民現職の三原じゅん子氏が堅調。他に自民元職の浅尾慶一郎氏、公明・三浦信祐氏、前知事の維新・松沢成文氏らが有力だが、気になるのは衆院議員を電撃辞職して参院に鞍替えしたれいわ新選組代表・山本太郎氏の動向だ。選挙区で戦う意向だが、どの地域から出馬するかは明かしていない。角谷氏は神奈川と見込む。
「立憲・共産の票を食って、結局は野党の潰し合いになる。少しでも与党にダメージを与えたいのなら比例で出ればいいわけで、戦略的にどこに一石を投じたいのかわかりにくい。台風の目にはならないと思います」
野上氏は、山本氏の鞍替え効果はあるという。
「フットワークがよくて話題作りが巧みです。それが功を奏して、れいわは比例で1議席取りそうです。山本氏はやはり東京から出るのではないかとの見方もあります」
愛知は、自民・藤川政人氏、公明・里見隆治氏、立憲・斎藤嘉隆氏が鉄板か。そこに「国民・伊藤孝恵氏がトヨタ労組の支援で入る」(野上氏)か、「共産・須山初美氏が食い込む」(角谷氏)か、が注目される。
京都は、国民と維新の異例の選挙協力が成立。維新・楠井祐子氏の支援に国民が回り、立憲前幹事長の福山哲郎氏が苦戦を強いられそうだ。
大阪は、自民・松川るい氏、公明・石川博崇氏、維新・浅田均氏、高木佳保里氏が優勢だが、共産・辰巳孝太郎氏が割って入れるか。