岸田文雄首相
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 深刻なウクライナ情勢に、止まらない円安、じわりと迫る物価高。不穏な空気の中、それでも岸田文雄政権の支持率は下がらず、夏には参院選を迎える。混迷の中で有権者が選ぶのはどの道か。注目の結果と、その後に起きる展開を予測する。

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(週刊朝日2022年5月6―13日号より)
(週刊朝日2022年5月6―13日号より)

 ウクライナへの侵攻を続けるロシアに対し、日本政府は欧米諸国と歩調を合わせて厳しい経済制裁を科す一方、ウクライナからの避難民の受け入れでも、異例の積極姿勢を示している。こうした対応が奏功したのか、メディア各社の世論調査で、岸田内閣の支持率は軒並み50%を超えている。

「追い風」ムードの中、夏には岸田政権の「中間テスト」とも言える参院選が控える。日程は7月10日投開票が有力視されているが、有権者はどんな判断を下すのか。本誌は政治ジャーナリストの野上忠興氏と角谷浩一氏に当落予測を依頼した。

 その結果は、両氏とも自民は改選議席数から4議席増の「58議席」、公明は改選議席と同数の「14議席」で現状維持。党勢が伸び悩む立憲民主は両氏とも改選議席から1減の「22議席」と無風状態。日本維新の会は躍進するが、第三極をうかがうまでには至らない。結局、与党が余裕で過半数を維持する「圧勝」と言ってよい数字となった。

 ただし、これらはあくまで現時点での予測。支持率だけ見れば盤石な岸田文雄政権にも死角はある。新型コロナウイルスの感染者は減少傾向にあるものの、4月22日の東京の新規感染者数は5396人と依然として高水準のまま。4月末からの大型連休で人出が増えれば、感染が爆発するとの予測もある。自民議員の一人が語る。

岸田首相は堀内詔子ワクチン担当相を退任させた後、松野博一官房長官に兼務させました。コロナ対策は政権の最重要課題であるはずなのに、多忙な官房長官がこなし切れるのか。第7波が迫っているというのに、危機感が薄すぎる。昨夏、感染が急拡大して菅義偉首相は退任に追い込まれたが、その二の舞いになる恐れもあります」

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