自民党の有志が、石破茂元幹事長を会長に「ラーメン議連」(ラーメン文化振興議員連盟)を設立する。全国のご当地ラーメンを振興し、地方創生につなげることなどを目的にしているという。この一報を受け、ネット上には<なぜ、多くの国民が呆れかえるような「ラーメン議連」を設立なんて考えるのだろうか><まーた、新たな利権創造か>などと批判的なコメントが多く集まった。
【表】前衆院議員の左藤章氏が加入していた全525議連はコチラ(全22枚)
そもそも議連とは何なのか。ほかの議連を調べてみると、「こんにゃく議連」や「豆腐議連」といった意外なものから、「新たな資本主義を創る議員連盟」といったものまである。はたしてその存在意義とは?
デジタル大辞泉で「議連」を調べると、「特定の目的を達成するために、政党・派閥・参院・衆院の枠にとらわれず活動する議員集団」と書いてある。政策研究大学院大の増山幹高教授は議員連盟の実態についてこう説明する。
「議員連盟は国会議員だけではなく、地方議員が中心に活動しているものもあり、真面目なものから実態のないものまで幅広く存在します。しっかりとした議連は特定の問題に対して関心を共有し、その解決に向けて活動をしている。特定の業界と密接に関係した議連もあり、そこでは業界と関係をつくるために議連を利用する議員もいる。他方で、特に届け出もなく設立できるので、会長と副会長の二人だけで議連を名乗っているケースもあるのではないかと見ています」
石破氏の他には、誰がどのような議連に入っているのか。
自民党で人気の高い小泉進次郎衆院議員は、実は落語好きで有名だ。2018年に立ち上がった「落語議連」(落語を楽しみ、学ぶ国会議員の会)の発起人となっている。この議連は落語文化の振興を目的にしている。ちなみに、小泉氏は19年に立ち上げられた「ニシキゴイ議連」(錦鯉文化産業振興議員連盟)でも発起人の一人。海外で人気のニシキゴイを「国魚」にし輸出拡大を目指すという。
昨年6月に岸田文雄前政調会長(当時)によって立ち上げられた「新たな資本主義を創る議員連盟」は、派閥横断型の議連で、最高顧問に安倍晋三氏や麻生太郎氏の名前が並ぶ。総裁選を前に党内の地盤を固める狙いがあると見られていた。表向きの目的は「新たな資本主義の構築を目指す」ための議連だ。