なかには強い影響力を及ぼす議連もある。

 その一つが、フェミニスト議連(全国フェミニスト議員連盟)だ。ホームページによると会員は200人。世話人の名簿を見ると、地方議員らが中心になっている様子だ。あらゆる女性差別をなくすことや、政治における男女共同参画推進法の理念を達成することなどを目的にしている。

 昨年8月、松戸市(千葉県)のご当地バーチャルユーチューバー(Vチューバー)が出演する千葉県警の交通啓発動画に対して、フェミニスト議連が「女児を性的な対象としている」と抗議。その後、動画は削除されるに至ったが、今度はフェミニスト議連に抗議の声が殺到し、大論争になったことがある。

 先述のこんにゃく議連も政治的影響力が強いとされる議連の一つだ。

 こんにゃく産地である群馬県の国会議員が中心に活動している。会長は群馬県選出の小渕優子衆院議員だ。父・小渕恵三元首相も代表を務めていたという。群馬県は4人も首相を輩出したことのある自民王国。県出身の議員は党の要職に就く者も多く、「こんにゃく議連の政治力は強い」という見方がある。

 こんにゃく議連の事務局長を務める尾身朝子衆院議員のホームページには、こんな記述がある。

<この会(こんにゃく議連)ではこんにゃく食文化のPRに努めてきました。また、TPP締結の際には国産のこんにゃく芋の保護のため、関税を約900%という高さで設定しました。また、こんにゃく芋は出荷までに非常に手間暇がかかります。農家の皆さまの作業面や資金面など、あらゆる負担が少しでも軽減されるよう、今後も努めていきます>

 こんにゃく議連関係者は「TPPのとき国内のこんにゃく芋を守るために動いた」という。

 ちなみに、こんにゃく業界では、5月29日はこん(5月)にゃく(29日)の日となっており、この日にこんにゃく議連の総会が開かれる。新型コロナの影響で、前回の開催は19年。国会議員のほか、農水省や県の担当者、業界団体の日本こんにゃく協会やJA(農業協同組合)の代表者ら30名強が参加し、こんにゃくを巡る情勢について説明や意見交換があったという。尾身朝子議員の秘書はこんにゃく議連についてこう説明する。

「こんにゃく芋は出荷までに3年かかり、一年おきに掘り返して埋め直すなど大変手間がかかります。生産者は、こんにゃくに付加価値を加えるなど消費者の皆さんに、もっとこんにゃくを楽しんでいただけるよう工夫しています。こんにゃく栽培の現状を知ってもらい、国産こんにゃくの保護やピーアールのための会になっています」

 はたしてラーメン議連は地方創生につながる役割を果たすことができるのか。冒頭の増山教授はこう見る。

「所属している議連の数や名前ではなく、議連で特定の議員がどのような活動をしているのか目を向けるべきです。ラーメン議連が永田町の趣味のクラブになるのか、地方創生という目的を実現するものになるかは、今後の議員次第ですね」

 今後の活動に注目しよう。(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)