──13歳で大人の世界に入った松島さんが、初めて「子どもじゃいられない」と感じたのは?
ここ最近かもしれない。お休みをいただいて、(2020年8月に)復帰してからじゃないかなぁ。子どもじゃいられないっていう感覚は「責任感」への意識の変化だと思うんです。若いころは余裕がないから、目の前のことに必死で周りが見えなかった。自分とゆっくり向き合う時間を持つことで、意識が変わったんだと思う。自分の埋め合わせをしてくれているメンバーの姿を客観的に見ることができて「あ、このままじゃいけない」と思ったんです。4人で抱えてくれている責任を自分も持たなきゃいけないし、持ちたいと思った。「責任感」をよりポジティブに感じられるようになったというか。メンバーとの関係性や、仕事への取り組み方もポジティブに変わったと思う。以前は自分の意見を言わないほうがいいと思ってたんです。グループでは年下でしたし、お兄ちゃんたちのほうが絶対良い意見を言うと思ってたから。でも意見を言わないのは参加してないのと同じなんだよね。今はちゃんと意見交換をすることを大事にしてます。
──舞台に取り組む中で発見した新しい自分は?
自分ってこんなに悩めるんだと知りました。最初の2週間くらいは、G2さんのオーダーに応えられない自分の無力さが苦しくて悔しくて……。すごく丁寧に教えてくれるし、何を求められているのか頭ではわかるんです。でも表現力の引き出しが足りなくてうまく体現できないんですよ。僕、初めて悔しくて泣きましたもん。家に帰ったら、ドバ~ッと涙が出てきて。びっくりした、自分でも。でも、その悔しさをバネに、悩む時間も楽しさに変えていけた。
この舞台をやらせていただくことになって風磨くんにアドバイスをもらったんです。「演出家さんから言われる情報量は毎日増えていくけど、それを苦しいと思うか楽しいと思うか。楽しいと思えるかが一番大事なんだ」と。まさに「楽しい」に変えていけた。復帰前だったら、ネガティブなほうに走って「もう無理だ」となってたと思うけど、「いや、絶対できるから!」と自然と思えるんです。自分の考え方一つで現実が変わることを実感したからかな。一つずつでしたけどね。
──最近、柿沼のごとく振り回されたことは?
あんまり振り回されないタイプかも。それよりも、これから僕がどんどん成長して楽しい驚きで振り回していきますよ、ファンの皆さんを!(笑)
(取材・構成/大道絵里子)
※週刊朝日 2022年4月29日号