こうしたことは試験の点数では伝わらない。日本は高校時代の受賞歴を見ることはありますが、育った環境を見ることはないですね。
アメリカの学校の教室では、黒人よりも白人のほうが先生から指されやすいといわれています。白人のほうが勉強ができると思われているのです。「お金持ちの白人は3塁で生まれて、ホームに入っただけでホームランを打ったと感じている」と言われることもあります。白人の貧困層だと2塁、女性の貧困層だと1塁、有色人種の貧困層だとホームからのスタートです。同じホームにたどり着いたとしても走った距離が全く違います。多様な学生を入学させている大学は、長い距離を走ってきた学生を高く評価しているわけです。
――日本の大学の男女比率はどうして変わらないのでしょう?
やる気の問題だと思います。東大は「20年までに学生の女性比率を30%に引き上げる」と言いました。でも達成できなかった。「そもそも東大は男性の大学というイメージがあるから女性が願書を出さない」とも言われます。そうだったとしても、東大の卒業生たちを各都道府県の高校に行かせて、女性を説得すればいいじゃないですか。「東大はあなたを求めているんです」と。
入試にも面接と小論文を導入すればいい。でも変えていない。韓国のソウル大の学生は4割以上が女性ですが、2000年代に日本でいう総合型選抜の枠を増やすまでは2割程度でした。香港大、シンガポール国立大も約5割が女性です。女性が大学に少ないのはアジアの問題ではないんですよ。やる気の問題だけだと思います。
(白石圭)