えらそうなことは言えないけど、とにかく「できるだけ多くの視点を持つ」ってことは大切にしているかも。例えば、コップ一つを例にとってみても、上からみたり、下からみたり、ときには触ったりすることも重要。ひんやりしてるなとか、中に何が入っているかなとか、上からみたらただの丸だなとか。ペットボトルとかも、見ようによってはボウリングのピンに似ているな、とかって考えたりね。
アスファルトに咲いている花や草木を見ると、ほとんどの人がきっと「生命力が強い、たくましい」みたいなことを考えると思うけど、アスファルト側になって考えてみると、また違う風に見えてきたりもする。「せっかくキレイに整地してもらったんだから生えてこないで」みたいな。
そんな風に、どんどんイマジネーションしていくと、面白いフレーズが少しずつ生まれてくる。ただ、いくら良いフレーズが浮かんだなって思っても、翌日見返すと「なんだこれ」「ショボいじゃん」ってなるパターンもよくあるし、もちろん、まったくフレーズが出てこないこともある。
最初、優しい雰囲気の歌詞を書こうと思ったのに、出来上がったら、なぜか「てめえ」とか口調の強い歌詞になったこともあった。
こんなふうに自分の想像をこえたものが出来上がるのも、作詞の面白いところだよね。
苦しい時もたくさんあるけど、1曲出来がった時は、ほんとうに嬉しいし、達成感もえぐい。「豆柴の大群」がテレビやライブで初めてその楽曲を披露する時はもちろんなんだけど、ボクが、いちばんリアルにうれしいのは、カラオケに行った時に「作詞:クロちゃん」ってモニターに表示される時だね(笑)。これはほんとうに感動する。最初は、おもわず写真撮ったからね。
これからも需要があるなら、作詞にはどんどん挑戦していきたい。もちろん、アイドルだけじゃなく、他のアーティストともコラボしてみたいね。
ファンに怒られそうだけど、ボクが今、いちばんコラボしてみたいのは福山雅治さん! 実はボク、人生で初めていったコンサートが福山さんなんだよね。初恋の女の子と一緒に行ったコンサートだったから、あの光景はもう忘れられない。マシャハルさん!いつかコラボお願いだしん!
(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)