実志願者数ランクで13位だった東京理科大も、増加率で9位と健闘した。一般選抜試験で志願者が増えたのが、共通テスト(国語、外国語)の結果と独自試験を併用するC方式。入試課の担当者は「共通テストの平均点が低調だった年は志願者が伸びていない。今年は英語や国語の平均点変動が小幅だったことが志願者増加の一因となったのでは」と言う。
実志願者数では4位につけたが増加率で40位と、順位のギャップが大きかったのは日本大だ。
「昨年からの一連の不祥事(前理事長の逮捕・起訴)が実志願者数減の要因になっていると考えざるを得ない。教職員一丸となって学修・生活支援及び自己実現のための就職支援などを展開している。こうした姿勢を繰り返し発信していくことで信頼回復につなげたい」(入学課の担当者)
龍谷大も実志願者数で16位に対し増加率は50位。広報担当者は「昨年は入試制度改革が功を奏したが、その効果が一段落したこと、また浪人生の減少が想定以上に大きく影響した」と話す。
前出の谷本さんは、前年と数字を比べる際の注意点も指摘する。1年前に受験生が集まった大学は翌年度に敬遠される傾向があり、結果として合格ラインが下がる。そこで、その次の年は受験生が集まる。このため人気→不人気→人気という「隔年現象が起こりやすい」という。こうした傾向にも留意し、来年の順位に注目したい。(本誌・松岡瑛理)
※週刊朝日 2022年5月6・13日合併号