──慶子さんは声がいいようですね。狂言をやりながら、歌手や女優をやってもいいんでしょうか?
(一同いっせいに、元彌さんのほうを見る))
元彌「大丈夫です。狂言師という軸足がぶれなければ、全然、禁止はしません(笑)」
──慶子さんのお母さまの淳子さんは33年前の1989年、“史上初の女性狂言師”として、国立能楽堂でお披露目の舞台を踏みました。どんなお母さまですか?
慶子「私たちにいつも稽古をつけてくれるのは宗家(元彌さん)ですけれども、母も母の妹の三宅藤九郎先生も、私たちの師匠なんです。だからこそ厳しいところもあって、私は小さいころ、『お母さんなんて大嫌い』、もっと小さい頃は『ママなんていらない』と、言い放ったことがあったらしいんです。でも、19歳になったいまも、私がいろんなことに苦悩している時に絶対そばにいてくれるので、大切にしてくれているというのがやっとわかるようになりました」
──采明さんのお父さんは和泉元彌さん。家では「師匠」と呼ぶのですか。
采明「普段は『とと』と呼んでいます(笑)。子どものころからずっと稽古をつけてくれるのはお父さんです。まだ物心がついていない時からずっと師匠でした。芸にはすごく厳しい。言われたことができてない時が一番厳しいですね。父から『わかってないのか、やろうとしてできてないのか、ハッキリしろ』と叱られる時もあります」
──采明さんのお母さまは女優の羽野晶紀さんですが、家庭ではどのようなお母さまですか。
采明「お母さんは面白くて、友達みたいに気軽に話ができる人。お買い物とかも一緒に行きます。一緒にいろんなことを楽しんでいます。家族といる時間がすごく楽しい」
──お二人は、どんなタイプの人が好きですか。
采明「素直な人がステキだなと思う。楽しい時に楽しいね、とか素直に感情を出せるってすごい魅力。あとは、愛が大きい人がステキだなと思います」
慶子「私は一緒にいて、楽しくもあり、安心できる人がいいです。お互いが窮屈になる関係じゃなくて、何かあったら、そっとお互いそばにいて、悲しいこともうれしいことも半分こ。自分をどんどんさらけ出して、一緒にたくさん笑える人」