今は、東京で母と2人暮らし。忙しい毎日の中での息抜きは2種類ある。一つは、生活の中のちょっとした疑問を見つけ、それを解決することだ。

「ベランダでオリーブを育てているんですが、ある日、せっかくなったオリーブの実がどんどんなくなっていって、母と2人で、犯人を予想していたんです。母はカラスだと言って譲らなかったんですが、ある日、2人でこっそり窓際に張り込んでいたら、オリーブを食べていたのは、見たこともないような可愛い鳥! それを見てすごく幸せな気分になったんです。母と2人で、『カラスだと許せないのに、可愛い小鳥だと許せるのはなぜ?』って、顔を見合わせて笑いました(笑)」

 もう一つが、丸々怠け者になる一日。「今日は何もしない」と決めた日は、大好きなポテトチップだけを手に、のんびりと一日を過ごす。

「お仕事を頑張って、日々の疲れがたまっていったとき、『もうそろそろいいかな』と、ダラダラとポテチ片手にサブスクで映画を観るだけの、ご褒美デーを作ります。ストイックに見えるかもしれませんが、実態は、ご褒美デーによりポテチがおいしくなるよう、頑張って自分を追い込んでいるだけなのかも(笑)」

(菊地陽子 構成/長沢明)

週刊朝日  2022年5月20日号より抜粋