ロサンゼルス空港の様子。コロナ検査スポットは街のいたるところにあった/写真提供・山本佳奈医師
ロサンゼルス空港の様子。コロナ検査スポットは街のいたるところにあった/写真提供・山本佳奈医師

 現在、新型コロナウイルスワクチンの追加接種を終えている人は、日本国が指定するオミクロン指定国・地域以外からの入国であれば、入国時に陰性を認めれば、帰国後の隔離は免除されます。つまり日本人は、渡航先を選べば帰国後の隔離なしで観光目的の海外旅行に行って帰国することができるというわけです。

 グーグルが検索結果をもとにアメリカ人の今夏の旅行トレンドについて調べたところ、「パスポート取得」に関する検索が2022年1月から4月で前年比の300%も増加しており、海外旅行への関心が高まっているといいます。

 日本はというと、外国人の観光目的の入国は禁止したままです。来月から、1日当たりの入国・帰国者数の上限を「2万人程度」に引き上げ、外国人観光客受け入れの本格再開に向けて政府は調整に入っていることが報じられていますが、多くの人が飛行機や新幹線、鉄道や車を使い国内を旅行している一方で、依然として海外からの観光客は国内に入れないという規制をまだ継続するということになります。水際対策は、新型コロナウイルス感染症が国内に流行していない場合は有効です。オミクロン株を含めコロナ感染が拡大してしまった今、もはや厳しい水際対策は意味がありません。

 4月27日、アメリカ政府首席医療顧問であるファウチ氏は、「パンデミックはまだ終わっていないが、パンデミックの急性期の段階を脱し新しいフェーズに入った」という見解を示していましたが、ロサンゼルスやサンディエゴの街や空港には、コロナ検査スポットが至るところにありました。ワクチン接種を促す広告も、街の至る所で目にしました。「コロナ検査をたくさんして、陽性が出たら自主的に隔離し、悪化を認めれば医療機関を受診する」というコロナと共存する社会の姿を目の当たりにし、コロナに対する捉え方の違いを実感した旅になりました。次回は、カリフォルニアの街で感じたコロナ対策や出国前の検査などについて、まとめたいと思います。

 山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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