漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「ちむどんどん」(NHK総合 月~土8:00~[土曜は1週間の振り返り])をウォッチした。
【カトリーヌあやこ氏による「ちむどんどん」のイラストはこちら】
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「ちむどんどん」とは、沖縄方言で「胸がわくわくする」こと。沖縄本島・やんばる地域を舞台に、料理人になることを夢見るヒロイン・比嘉暢子(黒島結菜)を描く朝ドラだ。
さてどれほど視聴者のちむがどんどんするかと思えば、まず父・賢三(大森南朋)が借金を残して急死。東京に住む賢三の叔母からの「兄妹の一人を引き取る」という申し出に、ヒロインが名乗り出る。
家族と涙のお別れよ……と、思いきや結局行かずに7年後。さぁ借金どうなった? なんの説明もないまま、働かずにフラフラしてる兄・賢秀(竜星涼)がまた借金。
その上詐欺でお金はパー。かばう母親(仲間由紀恵)、東京に行きたいというヒロイン。姉ちゃん(川口春奈)前借り、母ちゃん前借り。やめて朝からこの貧困スパイラル。
沖縄の海と空は美しいけど、見てるこっちは「ちむもやもや」。どうもスッキリしないこの感じ、あの朝ドラを思い出すのだ、それは「まれ」。
まれ(土屋太鳳)は「地道にコツコツがモットーで夢見ることが苦手」という触れ込みながら、まったくコツコツせずに夢まっしぐらの恐るべきヒロインだった。
ケーキ職人になりたいと言いつつ、市役所に就職。しかし半年で退職し横浜でパティシエ見習い始めたと思えば、結婚し地元で漆器工房の女将(おかみ)修業を始めるやいなや、自らケーキ店を開店したものの産休で閉店。行き当たりばったりにもほどがある、ツッコ「まれ」状態。しかしどこか似ている「まれ」と「ちむ」。まずサブタイトルが食べ物しばり。