■継続保有の条件が増加
最近は「株を1年以上保有している人だけに優待をあげます」などの継続保有を条件とする企業も増えている。極端な話だが、権利付き最終日の1日だけ株を保有してすぐ売却しても優待はもらえるからだ。
制度として可能なので非難はしないが、品のいい話ではない。企業側は「タダ取り」を阻止すべく長期保有優遇制度を導入しているというわけだ。
さて、株主優待をもらうためには、その企業の決算日や中間決算日が末日の場合は月末(平日)から数えて2営業日前までに株を買っておく必要がある。そのため月末最終営業日の2営業日前は「権利付き最終日」という。
権利付き最終日の翌日は「権利落ち日」と呼ばれ、配当の価値の分だけ株価が下落することが多い。権利付き最終日までに株を買えば、月末には企業の株主名簿にあなたの名前が載る。これが優待の「権利確定日」。
2022年5月の場合、27日(金)の権利付き最終日までに株を買う。30日(月)が権利落ち日。31日(火)が権利確定日だ。土日や祝日を挟むこともあるので、権利付き最終日は微妙に日にちが変わる。
(編集・文/綾小路麗香、伊藤 忍)
※『AERA Money 2022夏号』から抜粋。アエラ増刊「AERA Money 2022夏号」では、初心者にもおすすめできる長期保有向け優待銘柄ベスト22を、すべて写真入りで紹介している