GMOフィナンシャルホールディングスの村田真里恵さん。インターネット広告代理店の金融系クライアント支援業務で活躍後、2017年12月より現職。投資ツールの活用や情報収集のコツを広める(撮影/写真部・加藤夏子)
GMOフィナンシャルホールディングスの村田真里恵さん。インターネット広告代理店の金融系クライアント支援業務で活躍後、2017年12月より現職。投資ツールの活用や情報収集のコツを広める(撮影/写真部・加藤夏子)
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 株式投資の楽しさに目覚めるきっかけといえば、企業からもらえる株主優待。ネット証券の検索ツールで有望な優待株を探し、安全重視で投資するコツは?

【株主優待の基本ワード3】

 日本人は投資でガツガツ儲けることより、ポイント還元やふるさと納税などの「お得感」が好きだ。株式投資でいえば株主優待。上場企業が自社の株主でいてくれていることへのお礼として、投資家に優待品を送る制度のことである。

 実は株主優待がここまで浸透しているのは日本だけ。世界的に見ても珍しい存在だ。

 優待でもらえるものは、自社商品や自社店舗で使える買い物割引券・食事券、クオカードなど多岐にわたる。食べ物や日用品関連の優待は特に人気だ。大量にもらって家計をサポートする猛者もいる。

「最近は投資信託のつみたても定着してきましたが、優待株への投資が好きな人はそれ以上にいるはず。根強いファンが多いのです」

 と語るのはGMOフィナンシャルホールディングスの村田真里恵さん。

「優待株のメリットは投資を楽しめることです。たとえ株価が下がっても、毎年決まった時期に優待品が届くことで長期投資も苦になりません」

 株式投資で含み損を抱えると憂鬱(ゆううつ)な気分になるが、お得感があって日常生活にも役立つ優待が届けば心の平安を得られる。投資において心の平安は意外に大切。

 ネット証券各社が優待株の検索ツールに力を入れているのも、優待品が株式投資をはじめるきっかけになる人が多いからだ。GMOフィナンシャルホールディングス傘下のGMOクリック証券でも優待検索ツールには力を入れている。

「投資家の間では、優待品の金銭価値を利回り換算した『優待利回り』を重視して優待株を選びたいというニーズも強いです。当社の検索ツールは『優待利回りの高い順』に並べ替えもできます」

GMOクリック証券の優待検索画面。「トップページ→株式→検索→株主優待」で表示される。権利確定月や優待内容で検索OK。優待利回りの高い順に並べ替えもできる。※個別銘柄の情報欄には優待利回りが記載されていないので、優待の条件で検索した画面からチェックしてください
GMOクリック証券の優待検索画面。「トップページ→株式→検索→株主優待」で表示される。権利確定月や優待内容で検索OK。優待利回りの高い順に並べ替えもできる。※個別銘柄の情報欄には優待利回りが記載されていないので、優待の条件で検索した画面からチェックしてください

 たとえば6月末に権利確定する優待株を検索すると、116銘柄がヒット(2022年5月9日現在)。検索結果の上部にある「優待利回り」をクリックして右隣を「▼」にすると、優待利回りが高い順に並べ替えられる。

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