──首相と同じように子育てとキャリアの両立に取り組んでいる人たちは、日本にもたくさんいる。首相からこんなメッセージが寄せられた。

マリン首相:皆さんに強調したいのは、あなたは仕事も家族との生活も両立できる、その能力があるし、権利もあるということです。子どもや家族は人生を豊かにしてくれます。もちろん、それが大変なのはわかっていますが、両立できるようにするのが社会の義務であり、政治の役割です。

──自身のゴールは何だろうか。10年後でも46歳。その時、何をしているのだろうか。

マリン首相:首相としてのゴールは、政府プログラムに記されたことを成し遂げ、改革を進めること。私は目の前の課題に集中し、世界を変え、フィンランド社会におけるたくさんのことに変化をもたらしたい。私自身のキャリアについては、ゴールはありません。私が政界に入った理由でもある課題に取り組むだけです。世界をより良い場所にしたいと努めるかぎり、間違うことはないと思っています。

(構成/朝日新聞編集委員・秋山訓子)

AERA 2022年5月30日号より抜粋

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